JAは「農業協同組合」です。願いを共有する組合員が集まって、組合員自らが事業と活動を通じて願いをかなえることを目的とする協同組合です。
兵庫県内の14のJAと、それぞれが会員となって組織している連合会や中央会で構成するJAグループ兵庫は、地域農業の振興や地域活性化のための事業を行っています。
JAとはJapan Agricultural Co-operatives(日本・農業・協同組合)の略で、農業協同組合法に基づき設立した農業協同組合の愛称です。
JAは、相互扶助の精神のもとに農家の営農と生活を守り高め、よりよい社会を築くことを目的に組織した協同組合です。組合員の営農活動や生活の向上のために、農業生産資材や生活に必要な物資の共同購入や、農畜産物の共同販売などを行っています。また、貯金の受け入れや融資を行う信用事業や、万が一の場合に備える共済事業など、組合員の暮らしに関わる事業を総合的に実施しています。
「協同組合」とはどのような組織なのでしょうか。株式会社と比較して説明します。
「協同組合」と「株式会社」の違い
協同組合 |
株式会社 |
|
---|---|---|
目的 |
組合員の経済的・社会的地位の向上 |
利潤の追求 |
組織者 |
農業者、漁業者、森林所有者、勤労者、消費者、中小規模の事業者など【組合員】 |
投資家、法人【株主】 |
事業と利用者 |
事業利用を通じた組合員への最大の奉仕 |
利益金の分配を通じた株主へのサービス |
運営者 |
組合員(その代表者) |
株主の代理人としての専門経営者 |
運営方法 |
1人1票制 |
1株1票制 |
指導事業
組合員の農業経営の改善や生活の向上のために組合員に必要な研修を実施したり、営農技術や農業経営の指導など、営農をサポートする事業です。
とくに、地域農業の担い手とのコミュニケーションを深め、農業所得の向上を図っています。
販売事業
組合員=農家の生産物を共同で販売することにより、より多くの農業収入=農業所得をあげることを目的としています。
共同販売によって、品質や規格を揃えることにより評価を高め、計画的かつ一定量を販売することで価格形成に影響力を持つことができます。
また、輸送費を安くすることもできます。さらに、生産物を加工することによって、付加価値を高めることにも取り組んでいます。
消費者に安全・安心な農畜産物を届けるため、生産履歴記帳や残留農薬検査などにも取り組んでいます。
購買事業
組合員が農業生産に必要な資材(種苗、肥料、農薬、農機具など)や生活に必要な物資を共同購入することによって、質の良い資材等を適正な価格で購入できる事業です。
とくに、農業所得の向上のために、営農指導事業と連携した、生産資材の活用を提案しています。
利用事業
JAは農畜産物を集めて、販売するだけでなく、米の乾燥・調製や貯蔵をする共同利用施設の導入・運営などを行っています。
一人一人の農業者が機械を買い、農畜産物の加工をすることは費用や労力がかかるため、共同で利用できる施設を作り、効率的な作業をするためのものです。
信用事業
組合員から貯金を受け入れるとともに、組合員が必要な資金を貸し付ける事業です。営農指導や販売、購買事業と連携することで組合員の営農と生活の向上を目的としています。
JA・JA信連・農林中央金庫で構成された「JAバンク」が、JAグループ全体として一体的に機能しています。
共済事業
組合員が掛け金を拠出し積み立て、組合員に事故や災害、病気などがあった場合などに、共済金として支払い、組合員の暮らしをお互いに守り合う事業です。
人を対象にした生命保障と、建物等を対象にした損害保障を併せて実施しているのが特徴です。JAとJA共済連が一体となって「JA共済」を提供しています。
高齢者福祉事業
高齢化が進む中、様々な高齢者対策に取り組んでいます。高齢者の生活支援として、配食サービスや通所介護サービスなど事業の幅は広がっています。相互扶助を基本として、地域密着型セーフティーネット機能を果たしています。
資産管理事業
組合員の土地活用相談、相続相談など、資産を保全するための資産管理事業を行っています。組合員から委託を受けて土地活用とともに賃貸住宅などの建設、物件管理なども行っています。
食農教育活動
農業体験や親子料理教室などを通じて、地域農業の役割や「食」と「農」のつながりを伝える取り組みです。国産農畜産物の良さを広め、豊かな食生活を実現するため、子どもだけでなく、あらゆる世代に対象を広げています。
農福連携
障がい者や要介護認定高齢者などが農業に携われるよう、国や自治体、法人などが支援をする取り組みです。農業が抱える課題として、従事者の減少や高齢化による労働力不足などがあり、一方で福祉が抱える課題としては、生きがいの創出や働く場所の確保があります。農福連携は、農業と福祉とが互いに元気になる取り組みです。
地域貢献活動
協同組合であるJAは、農業者を中心とした「組合員」のための組織であると同時に、地域の一員としてよりよい社会を築くことを目的としています。そのため、清掃活動や子どもやお年寄りの見守り活動、地場食材の学校給食等への提供といった様々な地域貢献活動に取り組んでいます。
兵庫県内では14のJAが事業を行っています。各JAの概要や取り組みは下記の各JAのHPからご覧ください。
農協(JA)名 |
本店(所)所在地 |
連絡先(代表番号) |
地区 |
---|---|---|---|
兵庫六甲農業協同組合 |
神戸市北区有野中町 |
078-981-6550 |
神戸市、三田市、宝塚市、尼崎市、西宮市、芦屋市、伊丹市、川西市、猪名川町 |
みのり農業協同組合 |
加東市社町社1777-1 |
0795-42-5141 |
加東市、西脇市、三木市、多可町 |
兵庫みらい農業協同組合 |
加西市玉野町1156-1 |
0790-47-1255 |
加西市、小野市、三木市(一部) |
あかし農業協同組合 |
明石市大久保町駅前1-7-4 |
078-934-5800 |
明石市 |
兵庫南農業協同組合 |
加古川市加古川町寺家町621番地 |
079-424-8001 |
明石市、加古川市、高砂市、稲美町、播磨町 |
加古川市南農業協同組合 |
加古川市野口町野口55-1 |
079-421-3738 |
加古川市 |
兵庫西農業協同組合 |
姫路市三左衛門堀西の町216 |
079-281-5021 |
姫路市、相生市、たつの市、赤穂市、神河町、市川町、福崎町、太子町、上郡町、佐用町、宍粟市(一部) |
相生市農業協同組合 |
相生市大石町19-1 |
0791-22-0690 |
相生市 |
ハリマ農業協同組合 |
宍栗市一宮町東市場429-1 |
0790-72-1234 |
宍粟市 |
たじま農業協同組合 |
豊岡市九日市上町550-1 |
0796-22-7265 |
豊岡市、養父市、朝来市、香美町、新温泉町 |
丹波ひかみ農業協同組合 |
丹波市氷上町市辺440 |
0795-82-0170 |
丹波市 |
丹波ささやま農業協同組合(JA丹波ささやま) |
丹波篠山市大沢438-1 |
079-594-1121 |
丹波篠山市 |
淡路日の出農業協同組合 |
淡路市志筑3112-14 |
0799-62-6200 |
淡路市、洲本市 |
あわじ島農業協同組合 |
南あわじ市市青木18-1 |
0799-42-5200 |
南あわじ市 |
名 称 |
所在地 |
連絡先(代表番号) |
---|---|---|
兵庫県農業協同組合中央会 |
神戸市中央区海岸通1番地 |
078-333-5870 |
兵庫県信用農業協同組合連合会 |
078-333-5700 |
|
全国農業協同組合連合会 |
078-333-6000 |
|
全国共済農業協同組合連合会 |
078-333-6155 |
|
兵庫県厚生農業協同組合連合会 |
078-333-6260 |
JAグループ兵庫は、3年に1回、JA大会を開催しています。2021年11月に「持続可能な農業と地域づくりへの挑戦」をテーマとして、第35回大会を開催しました。JAグループのめざす姿の実現に向けて、「農業」、「地域・組織」、「経営」の分野において、5つの取り組み方針を決定しました。